村井純 著『インターネット新時代』を読んだ

インターネット新世代 (岩波新書)著者によると、グローバル空間とは、国という縦社会を一つの空間として結ぶ人類初めてのものだという。それはインターネットができてからなので、ほとんど21世紀になってからのことだという。

グローバル社会とかよく言われるけれど、もう一つイメージできなかったのは、そんな新しいことだからということになるのかな。本書を読むとグローバル社会のイメージがかなり鮮明になってくる。

テレビのデジタル化とか携帯電話、クラウドコンピューティングなど、具体的なものの機能と意味の説明が多く、また分かりやすいので、現代のテクノロジーの現状を知ることができる。あくまでも、それらはデジタル情報ということでグローバル空間の説明につながっているわけだ。

そして、本書は現代社会が直面する課題を解決して未来への夢を考えようとする前向きな内容なのだが、厳しい現実を突きつけられるという一面もあった。

情報機器の進化とともにグローバル社会は進化し続けることが本書で強く印象づけられた。つまり、どこまでもグローバル社会の進化と付き合って行かなければならないということ。それができないときはどうなるんだろう。それは考えたくないので、前だけを向いて走るしかないんかなというのが本書を読んでの印象だった。

本書の最後で1995年1月の阪神・淡路大震災に触れている。震災の直後、友人知人の安否を気遣う人々によって、安否情報がインターネットによって伝わったと書いている。当時、インターネットはごく一部で、ネットというとパソコン通信が一般的だった。

ぼくはそのパソコン通信を使った安否情報を提供するボランティアグループに参加していた。グループの活動を通じて、すぐにインターネットを知ることとなったが、その年に、本書の著者による『インターネット』が出版されている。その15年後のいま『インターネット新時代』を読んでいるわけで感慨深いものがある。

この15年、インターネットは常に進化していたけど、今から振り返るととてもゆっくりとした進化と感じてしまう。それはこの数年の進化のスピードが激し過ぎるせいだと思う。しかし、本書を読めば、進化の加速は増々激しくなる予感だ。

村井純 著(岩波書店[岩波新書1227]、2010年1月発行)