60年代黒人解放運動におけるアート『ブラックパンサー エモリー・ダグラスの革命アート集』

ブラックパンサー エモリー・ダグラスの革命アート集 (P-Vine Books) (P-Vine Books)ブラックパンサー エモリー・ダグラスの革命アート集
サム・デュラン著、藤永康政 監修(ブルース・インターアクションズ、2008年4月発行)

40年が経って、アート集としてブラックパンサー党の機関誌やポスターを見ることができるなんて思ってもいなかった。60年代は、新聞もテレビもベトナム戦争と公民権運動の報道のない日はなかったと思う。公民権運動はアメリカにおける黒人をはじめとする有色人種が法律上平等な地位を獲得するための運動。非暴力運動にもかかわらず、警察の弾圧が激しく、いつしか暴動に発展した。それをテレビのニュースで見ていたぼくは高校生で、そうした映像にショックを受けていた。

1965年に黒人解放指導者の一人、マルコムXが暗殺される。さらには68年には公民権運動の指導者キング牧師が暗殺されるあたりから、平和的・合法的な運動から過激な運動に変わって中で、ブラックパンサー党の名前を何度も見たり聞いたりするようになった。平和的な抗議行動が暴力的行動に変化するなかで、ブラックパンサーの名前は強烈に記憶されたものだった。

ブラックパンサー党に強い印象を受けたといっても、それは新聞やテレビの報道までで、当時は本書にあるような強烈なイラストで飾られた機関誌やポスターを見ることはなかった。あれから40年が経って、本書を眺めていると当時の何ともいえない強烈な印象がよみがえってくる。