今井恭子の児童小説『前奏曲は、荒れもよう』を読んだ

前奏曲は、荒れもよう (福音館創作童話シリーズ)今井恭子 著、西巻茅子 画(福音館書店、2009年4月発行)

絵画教室へ通う程、絵の好きな少女絵里子の話。その教室でいらついて先生にぶつかってしまい、今は絵を描いていない。母親にいらついたある日、土手からころげ落ちて怪我をしてしまった。それがきっかけで、落ちたら危険の看板を描くことになった。無我夢中で看板の絵を描く自分に気づいて、やっぱり絵をやろうとこころに決めるストーリー。

読んでみようって気になったのは西巻茅子さんの挿絵がとても良かったから。反抗期の生意気な女の子の感じが良く出ててとてもいい。最後のページの絵里子が冬の土手に立って、まっすぐとどっか遠くを見つめているのなんか最高にいいよな。

バーバラ・クーニーの絵本『おおきななみ』の最後も、少女時代の夏を過ごした冬の海岸を主人公の若い女性が一人歩いているシーンを思い出す。絵描きになる決心をする印象的なシーンだった。

ああそうだ、音楽ものではパトリシア・マクラクランの児童小説『ふたつめのほんと』を思い出す。これはチェロをやってる女の子の話だった。ぼくはアーティストになろうっていう子どもの物語が好きなんだ。

自分自身は、芸術のゲの字もない家に育ったからな。何かこういうストーリーに憧れがあるのかもしれない。小学校1年のとき、ぼくの絵が賞をもらって、多くの作品と一緒に学校の玄関に張り出されけど、自分の絵が認められて嬉しかった。でも、家では大して評価をされず、いつもいつも運動会でのピリから2番目ばかりが話題にされてたんだ。絵里子のように絵画教室にではなくて、そろばん教室に行かされたんだよな。なんだかな~、だったよ。