galaxy galleryのKC個展

13662318112012.02.10 galaxy gallery 行ったんだけど、pratas では『Into The Light』Mixed by YA△MA – RENOVATION NU Release Party!!!! 。ya△maちゃん回してるし、galleryじゃー、KC (live paint) × uvAntam a.k.a UBAR TMAR (サウンドインスタレーション) と、あそこはなんちゅーかぼく的にはすごい空間になってた。

KC個展は5日のオープニングと10日の2回行って作品をじっくり見られた。ライブペインティングを見られたのもほんと良かった。11日のライブは行けなくて残念だった。

去年の KC個展 ”Bon Voyage” 2days closing pARTy!!! で初めて見て、今回が2度目。またの機会があれば絶対に見たい。

「OBSESSIONS curated by John Zorn」のカタログ

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「OBSESSIONS 取り憑かれた情熱 ゲストキュレーター ジョン・ゾーン」は、大阪中央区のギャラリー MEMにて昨年4月から5月に開催されていた。初日だったと思うが、会場にてジョン・ゾーンのソロ演奏が行われたようだ。ぼくはライブ演奏を知って、すぐに予約したが満席で聞くことができなかった。そのカタログが届いた。表紙は “OBSESSIONS” と印刷されたサンドペーパーだ。まず、視覚的に神経をこすられるようでヤバい。

最初に「取り憑かれている情熱」と題されたジョン・ジョーンの短い文章がある。冒頭部分を引用するが、

古代から、何の役にも立たない無目的なオフジェを執拗に作り続ける特別な人たちがいた。精霊とチャネリングしたり、高いレベルの力とコミュニケーションをとったり、悪魔と格闘したり、神をなだめたり、自己の内面世界の思想と情熱を通して制作しながら、創造力が彼らの唯一の制作動機であり、出来た作品が唯一の報酬であった。

とあり、感動的な文章だ。ジョン・ゾーンが選んだ、取り憑かれた12人のアーティストは、Ashley Thayer、Be Kwan Lim、Heung-Heung Chin、Kate Manheim、Kyung Jeon、Mark Seidenfeld、Martin Wilner、Patrick Jacobs、Scott Irvine、ヤマタカ EYE、坂上チユキ、Zena Pesta。

《関連サイト》
MEM(http://mem-inc.jp/)

ジョン・ゾーンがゲストキューレーターの「Obsessions 取り憑かれた情熱」@MEM

ミュージシャンのジョン・ゾーンがゲストキューレーターという見逃せない展覧会に間に合った。4月10日にスタートしていたが、最終日の5月9日になって慌てて見てきた。最終日だから、混んでいるかもと思ったが、ほとんど閲覧者が来ることもなく、会場を独占状態で作品を堪能した。4月12日には会場でジョン・ゾーンのソロ演奏が行われている。それを知って、問い合わせたときはすでに遅く満席のために予約できなかった。しかし、大阪だけで行われたこの展覧会を見ることができて、本当に良かった。

この展覧会に向けた文章でジョン・ゾーンは以下のように書いている。

古代から、何の役にも立たない無目的なオブジェを執拗に作り続けている特別な人たちがいた。精霊とチャネリングしたり、高次元の力とコミュニケーションしたり、悪魔と格闘したり、神と融合または、自分の内面世界の創造力と熱情を活用しながら、創造力が彼らの唯一の制作動機であり、創造したものが唯一の報酬であった。

会場には、絵画、写真、コラージュ、オブジェなど11人のアーティストの作品が集められているが、これらを説明するのに上記の文章で十分だ。アーティストは、Bea Kwan Lim、Heung-Heung Chin、Kate Manheim、Kyung Jeon、Mark Seidenfeld、Martin Wilner、Patrick Jacobs、Scott Irvine、ヤマタカ EYE、坂上チユキ、Zena Pesta。

ぼくはエロティックで退廃的な作品に惹かれた。
Ashley Thayer,
Mark Seidenfeld, http://markseidenfeld.com/
Scott Irvine,
Kate Manheim, http://www.cueartfoundation.org/kate-manheim.html
などだ。

MEM, http://www.mem-inc.jp/index.html

国立国際美術館の「新国誠一の《具体詩》」展

新国誠一works 1952‐1977新国誠一の《具体詩》 詩と美術のあいだに」を中之島の国立国際美術館に行って、昨日見てきた。この詩人の名前も「具体詩」という言葉も知らないままに見ていたが、かつて、見たことがあるに違いないと思った。具体詩をどうしても、はっきりと思い出せないのは、関心が向かなかったからに違いない。70年代は、あの頃の現代詩をよく読んでいた。好きだったのは吉増剛造で、あの激しいパトスに憧れていた。そんなときに具体詩に出会っても、そのクールさゆえに敬遠していたに違いない。

先月、西区京町堀のAD&A gallery で、「松井茂 Camouflage」展を見た。このときも詩人の名前を知らずに行った。その感想はこのブログに書いた(「松井茂「Camouflage」展」)。その斬新な詩に新鮮な感動をもって、ネットをリンクして新国誠一の具体詩に出会った。

大きなキャンバスの作品に見入っていると、具体詩のパトスを感じることができた気がする。すごいものを見たな~という感じで、とても興奮してしまった。

松井茂「Camouflage」展

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詩人 松井茂さんの「Camouflage」展を西区京町堀の AD&A gallery で見てきた。詩人の作品をギャラリーで見ることが初めてのことで、見る前からワクワクして行った。内容はとても刺激的だった。

松井茂さんのWebサイトを見るとどのような作品なのか、だいたい分かるが、「Camouflage」展の1階は、詩集『Camouflage』の印刷された大きな用紙を壁に並べたものだった。用紙は断裁前の丁付されたものだ。右上の写真はギャリー入口横のポスターの一部を撮ったものだが、このようなパターンからなる、詩集『Camouflage』1から12までの12冊分が壁に貼られている。

ちょっと見ただけでは、同じパターンにしか見えないがよく見ると全ての詩集が微妙に違う。AD&A gallery のWebサイトの「Event / 松井 茂 Camouflage」ページの下記を読むと、パターンに見えたのは、「/(スラッシュ)」と「\(バックスラッシュ)」の2文字による詩であることが分かる。

2008年2月29日からはじまった松井茂の詩集「Cmouflage」の刊行は、2009年1月29日現在12冊が刊行されている。1冊当たりは、「/(スラッシュ)」と「\(バックスラッシュ)」各42,000文字、合計84,000文字(400字詰め原稿用紙210枚)から構成されている。

タイトルである「Camouflage」は、ウラジーミル・ナボコフの小説『賜物』にある一文からの引用による。「言葉の綾や調子のなかに、あるいは言葉のカモフラージにかくされて、彼が伝えたがっている重要な思想がふともれ出るのであった。」(大津栄一郎訳)

2008年2月29日にphotographers’ gallery(東京)で1日だけ行われた同タイトル展では、 3冊の詩集それ自体が展示された。今回はテキストそれ自体が展示される。他に「量子詩」または「同時並列回路」も出展予定。

2階はプロジェクターによる動画が大きなスクリーンに映し出されている。ごく普通の400字詰め原稿用紙に漢字の「一」、「二」、「三」の3文字が不規則に升目を順番に埋めたいく。その際、「二」、「三」は筆順をなぞるように「一」づつ順番に表示される。升目の全部が埋まると、新たな用紙にて、最初の升目から繰り返される。単にリピートしているだけなのか、何枚もの原稿用紙に「一」、「二」、「三」の3文字だけによる「詩」が延々と書き綴られているのかもしれない。「Camouflage」作者なら後者だったかもしれないが、そのときはアイデアに感心するばかりで確かめることに気がつかなかった。

松井さんのサイトを見ていたら、国立国際美術館で開催中の「新国誠一の《具体詩》 詩と美術のあいだに」のページにリンクされていた。ことばの配置や音を重視した具体詩というものがあることを始めた知った。松井さんの詩も具体詩というものなんだろうか。

デジタルとインターネットの新しい風景から誕生した「詩」のように感じた。

ロトチェンコの実験室 / ワタリウム美術館 編

1320324015和多利恵津子[ワタリウム美術館]編(新潮社、1995年11月発行)

アレクサンドル・ロトチェンコは20世紀初頭のロシアアヴァンギャルドのアートシーンを疾走したアーティスト。マレーヴィチやマヤコフスキーより少し遅れて登場し、彼らよりも長く活動を続けたが、表現方法は絵画、グラフィックデザイン、写真と目まぐるしく変化する。実に複雑なロトチェンコだが、そのイメージが本書で浮かび上がってくる。

本書には「ペインティング・立体」「グラフィック」「ステパーノヴァの作品」「写真」と分類された図版が豊富に収録されている。特に「俯瞰的なアングルや、仰角のアングルを多用したその写真は、見るものの平衡感覚に強烈なゆらぎをもたらす。」(亀山郁夫『ロシアアヴァンギャルド』p131)と言われる写真から強烈なインパクトを受ける。マヤコフスキーのポートレートに強烈な凄みを感じる。グラフィックではフォトモンタージュ作品、特にマヤコフスキーの著作への挿絵に興味が惹かれた。

図版のほかにロトチェンコの娘が彼の日常を紹介し、孫にあたるデザイナーのロトチェンコ論がある。特にマレーヴィチのシュプレマティズムとの対立、そしてロトチェンコが「実験的技術館」と名付けた美術館などを紹介している。ほかに5編の評論が収録されている。

その中に飯沢耕太郎「断片と総合-写真家アレクサンドル・ロトチェンコ」がある。ここに興味をひかれる記述があった。第一次世界大戦(1914-1918年)前後、人々の前に。それまでとはまったく異質な都市の環境が成立したという。電話やラジオのような通信手段、自動車、地下鉄、飛行機のような交通機関がネットワークを形成し、人々や商品がめまぐるしいスピードで移動する。また、工場や高層ビルが従来の美意識におさまりきれない異質な眺めを作り出した。

都市の体験をさらに加速したのは、新聞、雑誌、ボスターなどの視覚伝達のメディアである。1880年以降に実用化される編目印刷によって、全世界で同時発生的におこっている出来事が、タイムラグなしに人々の前に映像として示されるようになった。こいわがこれらの映像群は「過去の詩人たちが知らなかった新しい都市の要素」(マヤコフスキー)であり、それらの断片的なイメージを寄せ集め、再構成して「世界の都市の詩」を組み上げ(モンタージュ)ようとする試みが、多くのアーティストたちによっていっせいに開始されるのである。(p180)

ここを読んでいると、ロトチェンコの時代と現代のインターネットの時代を重ね合わせる想像にかられた。

60年代黒人解放運動におけるアート『ブラックパンサー エモリー・ダグラスの革命アート集』

ブラックパンサー エモリー・ダグラスの革命アート集 (P-Vine Books) (P-Vine Books)ブラックパンサー エモリー・ダグラスの革命アート集
サム・デュラン著、藤永康政 監修(ブルース・インターアクションズ、2008年4月発行)

40年が経って、アート集としてブラックパンサー党の機関誌やポスターを見ることができるなんて思ってもいなかった。60年代は、新聞もテレビもベトナム戦争と公民権運動の報道のない日はなかったと思う。公民権運動はアメリカにおける黒人をはじめとする有色人種が法律上平等な地位を獲得するための運動。非暴力運動にもかかわらず、警察の弾圧が激しく、いつしか暴動に発展した。それをテレビのニュースで見ていたぼくは高校生で、そうした映像にショックを受けていた。

1965年に黒人解放指導者の一人、マルコムXが暗殺される。さらには68年には公民権運動の指導者キング牧師が暗殺されるあたりから、平和的・合法的な運動から過激な運動に変わって中で、ブラックパンサー党の名前を何度も見たり聞いたりするようになった。平和的な抗議行動が暴力的行動に変化するなかで、ブラックパンサーの名前は強烈に記憶されたものだった。

ブラックパンサー党に強い印象を受けたといっても、それは新聞やテレビの報道までで、当時は本書にあるような強烈なイラストで飾られた機関誌やポスターを見ることはなかった。あれから40年が経って、本書を眺めていると当時の何ともいえない強烈な印象がよみがえってくる。

カレル・チャペック著 / ダーシェンカ あるいは子犬の生活

ダーシェンカ あるいは子犬の生活 (リエゾン・リーブル)カレル・チャペック 著、千野栄一 解説、保川亜矢子 訳(メディアファクトリー、1998年12月発行)

カレル・チャペックの『ダーシェンカ あるいは子犬の生活』は何種類かの翻訳が出版されているが、本書の最大の特長は、表紙がチェコでの初版本と同じデザインなこと。デザイナーはチェコのアヴァンギャルド運動の中心人物であったカレル・タイゲだ。本文レイアウトは1995年に出版されたSEG出版のものだそうだが、コチラもカレル・タイゲの装丁、レイアウトとなっている。ということが、巻末の千野栄一さんによる解説に書かれている。

ぼくは、伴田良輔監訳の新潮社版を持っている。新潮社版は2冊に分冊されて出版されている。装丁、レイアウトは平野甲賀さん。メディアファクトリーに比べて子どもに配慮されたデザインとなっている。でも、チャペックのファンなら、カレル・タイゲのダザインした表紙は絶対に見逃せない。本文の写真もレイアウトによって生き生きとしている。

チェコ・アヴァンギャルド―ブックデザインにみる文芸運動小史

チェコ・アヴァンギャルド ブックデザインにみる文芸運動小史西野嘉章 著(平凡社、2006年5月発行)

10月に「青春のロシア・アヴァンギャルド展」を見た。それに刺激されて、『ロシア・アヴァンギャルド 』(亀山郁夫著)を読んだ。その流れで何の予備知識もないままに本書を読んだ。チェコというとチャペック兄弟ぐらいしか知らない。彼ら以外のまったく知らないチェコのアーティスの名前が出てくるので、はじめは読みにくかった。途中まで読んで、わけが分からなくなって再び最初から読み返した。そうしたら本書の流れが少しつかめて、ヨーロッパにおけるアヴァンギャルドな運動がイメージされてきた。ヨーロッパの各所で同時的に興った、そのダイナミックな運動が、ぼくにとっては、今までと比べて、ずいぶんとリアルに思いをはせることができるようになった。それが本書の力に違いない。

これまでは、ヨーロッパのアヴァンギャルドとして、未来派やダダ、バウハウス、シュルレアリスムなどを個別に眺めていたと思う。本書の視点はチェコのプラハからヨーロッパに向けられたものだ。それによって、この時代の芸術運動が複雑に結びついて、リアルな運動として認識できるようになる。

ベルリンの作曲家ハアヴァルト・ヴァルデンが1910年に創刊した汎ヨーロッパ的広がりをもった文芸雑誌『デア・シュトゥルム』の紹介から本書は始まる。プラハについては、1920年、若いアーティストたちによる「デヴィエトスィル芸術家協会」の旗揚げが重要事項。その運動の牽引者はカレル・タンゲ。この名前を記憶しておきたいと思った。

デヴィエトスィルの主張はポエティスムというものであるらしい。「ポエティスム宣言」は次のように書かれている。

われわれがポエティスムと呼ぶところの新しい芸術が、生活のアート、生きること、楽しむことのアートとするなら、それは、ことの成り行きとして、毎日の生活の、しかるべき部分でなくてはならない。スポーツ、恋愛、ワイン等々、すべてのレジャーと同様、楽しいもの、近づきやすいものでなくてはならない。それは職業などではありえない。むしろ、普遍的なニーズとなるに違いない。

ポエティスムは哲学的な方向性をもっているわけではない。・・・文学ではない・・・絵画ではない。・・・狭義の意味でのイズムではない。・・・普通に使われているロマンティックな意味での美術でもない。・・・とどのつまりが、ポエティスムとは生活の仕方なのだ。生活の機能であり、かつまたその目的の充足なのだ。
(p61)

ベルリン・ダダやイタリア未来派、バウハウス運動、シュルレアリスムそしてソヴィエト・ロシアの生産主義など時代のさまざまな潮流の中で、プラハの若い芸術家が何を目指そうとしたのか、胸を打たれる。しかし、これらの芸術運動全体がソ連のスターリニズムやドイツのナチス運動といった中で困難な時代を迎えることになる。

本書の前半の約3分の1は、当時の貴重な雑誌、書籍表紙のカラー写真。斬新なタポグラフィや洗練されたコラージュが堪能できる。本文の組版はシンプルだが、紙質と共にこだわりの感じられ、すばらしい装幀となっている。

ロシア・アヴァンギャルド / 亀山郁夫著

ロシア・アヴァンギャルド (岩波新書)「青春のロシア・アヴァンギャルド」展を1ヶ月前に見に行ったが、その影響で本書を読んだ。今は、本書を読んでから展覧会に行くべきだったと後悔している。ロシア・アヴァンギャルドへの入門書としては少し難しかったが素晴らし内容だと思う。ロシア・アヴァンギャルド運動の軌跡をたどりつつ、時代背景と作家たちの内面の軌跡にも触れている。このことが本書に対して難しい印象を持つことになっているが、繰り返し読みたい衝動も持った。

ロシア・アヴァンギャルド運動はロシア革命と共に歩み,そして、スターリンの政策による社会主義リアリズムの台頭で終焉する。本書の主な内容は1917年のロシア革命からはじまり、すべての芸術団体の解散が命じられた1932年までの15年間となっている。しかし、事実上の終焉は1930年の詩人マヤコフスキーのピストル自殺(暗殺説もあり)であるという。

本書にはこのマヤコフスキーを始めとして非常に多くの芸術家が紹介されている。中でも、美術家のマレーヴィッチとフィローノフの記述が多い。ぼくは2004年に見に行った「幻のロシア絵本1920-30年代展」の印象が強く残っている。絵本のアヴァンギャルドな作風が社会主義リアリズムに変わることを悲劇としてとらえた展覧会だった。本書を読んで、悲劇は芸術運動に留まらず、芸術家個々人も被っていたことを知った。

ずっと以前から、ロシア・アヴァンギャルドを始め同時代のダダ運動などの作風に強く惹かれている。ロシア革命の激しい時代に若い芸術家たちは、それまでの象徴主義芸術に対する激烈な批判を展開し、アヴァンギャルド運動が高揚している。そんなことを本書から知って、なるほどと思った。

岩波書店(岩波新書450)、1996年6月発行

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