CSS Nite in KANSAI, LP1 プレセッション【第一弾】

来月行われる「CSS Nite in KANSAI, LP1 ~CMS POWER USER’S SUMMIT 2010~」のプレセッションが心斎橋のアップルストアで行われた。来月の有料の本編に参加する元気はない。せめて、無料のプレセッションだけでも・・・と出かけた。

これはCMSのセッションだが、プレは基本知識を学ぶための無料イベント。SOY CMSとWordPressの解説だった。来月(2月26日)は第2弾として、a-blog cmsとMovable Typeのプレセッションがある。

ぼくはやっと、CSS+XHTMLでサイトを作れるようになったところ。ここまで来るのに数年かかった。まだまだ経験を積んでスキルの向上を目指さなくちゃダメなんだけど、ここんとこ、CMSの動向が気になってしようがない。

WordPressかMovable TypeでCMSを構築するのが一般的だが、これは、ぼくには難しいハードルだと感じていた。しかし、今日始めて知ったSOY CMSというツールはかなりハードルが低そうだ。これならぼくにもCMSができるかもと期待をもった。a-blog cmsも同じくハードルが低いと聞いた。これからのスキルアップに希望が持てるプレセッションだった。

『インターネットが死ぬ日-そして、それを避けるには』を読む

ジョナサン・ジットレイン 著、井口耕二 訳(早川書房[ハヤカワ新書juice 003]、2009年6月発行)

インターネットが死ぬ日 (ハヤカワ新書juice)
ジョナサン・ジットレイン
早川書房
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イントロダクションで、いきなりiPhoneが出てくる。スティーヴ・ジョブスのiPhoneの発表だ。その30年前、ジョブズはアップルⅡパーソナルコンピュータを発表している。アップルⅡは本質的に生みだす力を持つ肥沃な技術と言っている。それに比べてiPhoneは・・・

iPhoneの性格は真逆である。独創性を刺激することがなく、いわばやせた不毛な技術である。イノベーションを促進するプラットフォームではなく、すべてがきっちりと決められている。自分でプログラムを追加することはできない。機能はすべて決められ、ロックされている(アップル社はリモート・アップデートで機能を変更できる)。(中略)iPhoneはアップル(と独占キャリアのAT&T社)が望む以上のイノベーションを生みだすものではない。アップルⅡでは世界全体がイノベーションを推進したが、iPhoneではアップルのみがイノベーションを推進する。(p7-8)

続けて、マイクロソフトのビデオゲーム機、Xbox360だ。その実態はパワフルなコンピュータだが、iPhone同様にロックされている。肥沃なパソコンやインターネットが消える日は来ないだろうが、実用性をパッケージ化し、新たな実用機能の登場を許さない情報端末の普及と同時に、パソコン側でもロックダウンの動きが広がりつつある、という。

これは、インターネットでのスパム行為やプライバシーの侵害などが深刻化することによるものだが、それによってロックダウンが広がるとインターネットの死ということになると著者は警告している。「インターネットが死ぬ」なんて考えたこともなかったのでショックだが、本書を読むと、考えられないことではないと思えてくる。もちろん著者はネットの死を望んでいない。ネットを死なせないための内容だ。

著者はiPhoneやXbox360の登場は、1990年代のパソコン通信への逆戻りにたとえている。独自規格で規制の強いネットワークが乱立していた時代だ。コンピュサーブやニフティサーブなどの乱立だった。90年代のような規制に現在のインターネットユーザーはがまんできないだろうとする以下のマイスペースの説明がおもしろい。

マイスペースユーザーにとって大事なプライバシー機能は気密性ではなく、自治性である。そこにアップロードしたものが自分の手の内から逃げていくことがあったとしても、そにかく、ホームページを意のままにできるという感覚が大事なのだ。プライバシーとは、不当な介入や邪魔が入らず、自分のものだと呼べる何かを作ること――自分のアイデンティティを感じられる何かを作ることだ。この何かは、最も直接的には場所となることが多い。「自宅は自分の城」なのだ。(中略)マイスペースのページやブログ、その他さまざまなオンラインの場も、自分のアイデンティティの立脚点となる資格があり、その場合、気密性ではなく自分の意のままにできるかどうかがポイントとなる。(p431-432)

うん、分かる。ロックダウンされた機器やシステムでは、ユーザーは我慢ならないのだろう。

『クラウドコンピューティングの幻想』を読む

エリック・松永 著(技術評論社、2009年4月発行)

クラウドコンピューティングの幻想
エリック・松永
技術評論社
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ぼくの知らない世界だが、ITベンダーと呼ばれる人々がクラウドコンピューティングについて、エンドユーザーやユーザー企業のことを考えずに、キャッチャーなIT技術の話を表面的に分類し、無限ループ状態で論じるだけの禅問答があるらしい。とはまえがきに書いてあるが、このような状況を分かったうえで読む本のようだ。

まえがきではさらに、本書を音楽にたとえて、万人向けの無難でお洒落なジャズのオムニバス版ではなくて、クラウドコンピューティングという1つのテーマを中心に展開されるフリージャズのインプロビゼーション主体のライブアルバムだと書いてある。全体を読み終わってから再びここを読むとなるほどと思う。

ビジネスコンサルティングの視点からクラウドコンピューティングを解説したものだが、ソフトウェアベンダー、ハードウェアベンダー、そしてシステムインテグレータ、これらのユーザーである企業を対象とした話なんで、個人や町のホームページ制作者レベルの内容じゃない。

だから、最初はとっつきにくかったけど、読み進むうちにおもしろくなって、クラウドコンピューティングについてなんとなくイメージがつかめた。実際、つかめてどーする(笑)なんだけど。本書の最後で、クラウドコンピューティングは、企業システムにとっては何も特別なことではない。企業のコンピュータシステムの進化の過程の1つに過ぎないこと。クラウドコンピューティングがビジネスを変えるのではなく、変化するビジネスをクラウドコンピューティングが支える、などという結論を読むと、技術論に片寄った禅問答への回答かなと思った。

著者はコンサルタントなので、その視点から日本企業を分析しているが、おもしろいというか、いい知識を得た気持ちになった。プロジェクトの進行にブレがあるので、現場のエンジニアは修正に追われることになる。日本のエンジニアには高いスキルと同時に忍耐が必要らしい。グーグルやアマゾンなど、クラウドコンピューティングを実践している企業の創造的エンジニアにこの忍耐を求めることができるだろうか、と言っている。

欧米型のパッケージソフトウェアについてもおもしろいことが書いてあった。ベンダーはユーザー企業のわがままに付き合ってソフトをカスタマイズをしなければならないらしい。この状況のたとえがおもしろい。「それはまるでマクドナルドに行って松阪牛と帝国ホテルのパン、国産無農薬野菜でできたビッグマックを特別注文して、ファストフードのクセに安くないと文句を言うような奇妙な行為と同じなのです」(p170)

《著者のサイト》
エリック松永の道場破り”:ITmedia オルタナティブ・ブログ
エリック松永の次世代エンジニア道場:特集 – builder by ZDNet Japan
経営者が知るべきバズワードの裏 – スペシャル – ZDNet Japan
エリック松永の英語道場 – スペシャル – ZDNet Japan

アーキテクチャの生態系 / ウェブ・サービスの日本的な現象を分かりやすく解説

濱野智史 著(NTT出版、2008年10月発行)

アーキテクチャの生態系――情報環境はいかに設計されてきたか
濱野 智史
エヌティティ出版
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ブログ、2ちゃんねる、ミクシィ、ウィニー、ニコニコ動画などのウェブ・サービスの日本独特の現象を分析した本。今までに読んだどんな解説書よりも、これらについて理解できたと思う。ブログやミクシィなどのSNSが日本独特の現象を持つのは、日本の「ムラ的共同体=内輪=世間に個人が埋没してしまう」ことからきていると筆者は説明している。これらのサービスに参加することで、集団主義の中に埋没する快感を得ることができるので、多数のユーザーをミクシィなどが獲得できているのだと思う。

日本がムラ的共同体、あるいは集団主義の国であることは、べつに新しい指摘でない。しかし、ウェブ・サービスの分析で真っ正面から言われるとインパクトが強い。しかも、1980年生まれの若い研究者であること。彼の分析が2チャンネルやミクシィについて非常に分かりやすいことなどの理由からインパクトが増しているようだ。

ウェブのイノベーター的スタンスから、2ちゃんねるやミクシィを肯定する意見は余り聞かれない。あるいは、無視だろう。これらを肯定するには、ムラ的共同体や集団主義を持ち出さなくてはならないので、それを避けて無視しているのかもしれない。

まさに、ぼく自身がそうだった。第2次大戦から時がたてばたつほど、ムラ的共同体は薄れていくと思っていた。あるいは、そう考える環境が一般的だった。だから、ブログは「個をエンパワーメントするツール」として日本でも紹介されたはずだった。本書を読むと、実は日本では、そうではなかったと思い知らされたようなものだ。

ムラ的共同体や集団主義はこのまま、ずっと続くのだろうか。ぼくはあくまで薄れて行くものだと思いたい。小学生のときのぼくは、テレビを持っている一軒の家に上がり込んで、大勢で野球を見た年代だ。それは、一斉同時にコンテンツをブロードキャストするメディアをムラ的共同体の中で楽しんでいたということか。それから家庭単位のテレビになり、個室で一人で見るテレビになり、今では記録機器やインターネットの発達により、テレビから「日本人全体がこれを見ている」という一体感が消えてしまった。ニコニコ動画は、この失われた一体感を再現しているようなものだと筆者は書いている。

さらに、ニコニコ動画こそがインターネットとマスメディア(テレビ)の融合を実現したものだとも書いている。鋭いなーと思った。今後の2ちゃんねるやニコニコ動画の動向を、ミクシィの変化を本書の視点から見て行きたいと思った。

CSS Nite in Osaka, Vol.16 (09.06.09)@Apple Store, Shinsaibashi に行く

CSS Nite in Osaka, Vol.16公式ページ
以下、出演順の感想です。

▼『脱!やらず嫌い「MovableType×Flashでつくるフォトアルバム」-ノンプログラマ編-』/秋葉 秀樹(あきば・ひでき)

雑誌掲載の内容をライブコーディングしながら解説。MovableTypeに写真を投稿後、MTが書き出したXMLファイルからその写真を読み取る仕方を解説。その写真をFlashで処理する仕方を簡単なActionScriptで解説。ノンプログラマの人を対象にActionScriptをやってみようという気にさせる内容。秋葉さんのスライドがすごい。
秋葉さんの個人ブログ

▼『JavaScriptかみくだき -関数編-』/田中 朋也(たなか・ともや)

JavaScriptの入門的解説。この日は「function」の解説。「関数」「引数」「戻り値」などとともにプログラミングの効率化から「function」の必要性を納得させる内容。いまいち、functionの意味が分かってなかったけど、これで納得でした。
田中さんのブログ joint-tools

▼ユーザーのココロを掴むランディングページ/木村 萌子(きむら・もえこ)

ランディングページの解説。ランディングページを作る目的、そのデザインのコツが内容。ぼくはランディングページという言葉を聞くのが始めてで、大変興味を持った。帰ってからネットで検索して理解を深めた。木村さんのブログにもランディングページの思いがある。また、ランディングページの評価をはかる「GoogleオプティマイザーABテスト」をライブでやった。これもぼくは始めて。
木村さんのブログ Webクリエイターのきもち

▼『これから始めるFlashActionScriptツボのツボ』/宇都宮 正宗(うつのみや・まさむね)

ActionScript3をこれからやる人向けの解説。まったくやっていない人、またはAS2はやってるけど、AS3に踏み込めない人に背中を押す内容。ぼくなんかもそうだけど、AS3はプログラミング度が強いということことで、ついつい構えてしまう。そして、もうひとつ踏み込めないでいる。宇都宮さんは、stop、gotoAndPlayなど基本的な数個の命令だけで、これだけのページができるという実例を見せて、オーディエンスをあおる(笑)。これは効果的だったと思う。ぼくも強く刺激された。
宇都宮さんのブログ 宇都宮ウエブ製作所(この日のサンプル、スライドなどのデータがある)

以上だったが、今回は4つのセクションのうち3つがプログラミングについてだった。Webデザイナーを対象としたセミナーイベンドだが、プログラミングのスキルが必須となっていることを感じた。同時に講師の人たちのプログラミングに対する敷居を低くしようという努力も感じた。これからは、プログラマーじゃないけど、そこそこプログラミングをこなすWebデザイナーが増えると思う。

ぼく自身、JavaScriptもActionScriptも入門書を読んでは挫折の繰り返しだ。日常の作業に追われていると、どうしてもプログラミングの学習に集中できる時間が取れない。そのうちに急ぎの仕事が入って、学習そのものをやめてしまうことの繰り返しだ。CSS Nite in Osaka はもう何度も行っているが、話を聞くたびにテクノロジー習得のモチベーションを高めてくれる。ほんとにありがたい。

記憶に残るウェブサイト-トップクリエイター10組へのインタビュー集

インタビュアー:川上 俊(ビー・エヌ・エヌ新社、2008年2月発行)

記憶に残るウェブサイト<br /> [ トップクリエイター10組へのインタビュー集]
インタビュアー:川上 俊
ビー・エヌ・エヌ新社
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インタビュアーが、創造性やアイデアの優れた表現を続ける10組のエゥブクリエイターを選び、彼らに「記憶に残るウェブサイト」10点を選んでもらって、それを中心にインタビューをする構成の本。選んだサイトのURLが載っているので、実際のサイトを見ながら読み進むことになる。

この本では、インタビューを受けるクリエイターやインタビュワー、編集者のほとんどが1970年代の生まれだ。70年代初期に生まれたクリエイターの場合は、ネット以前のマルチメディアとかCD-ROMのブームの体験者で、当時の様子がよみがえる。そしてネットを始めるきっかけなんかが、とてもおもしろかった。それは、1990年代前半のことで、ぼくがネットを始めるのが1995年だから、本書を読んでいると当時のことが思い出される。

慶大の湘南藤沢キャンパスの出身者もいたりする。当時、ネットの本を読むと必ず紹介されていたのが藤沢キャンパスだった。ネットの初期を体験した人たちが、クリエイターとなって、優れたサイトを創造している。アッと言う間の15年という感じがする。ネットが未熟だった当時、プログラミングやFlashに取り組んだクリエイターさんたちの証言はとても刺激的だ。

1995年のぼくと言えば、写植版下という印刷原稿をアナログで制作する仕事をしながら、Macを使ってDTPも始めていた。20年以上もやっていたアナログの仕事がどんどんと減る不安を抱ええつつ、アナログとデジタルの作業を並行してやっていた。そんな頃にネットを知り、HTMLを勉強するが、日常の仕事の合間の学習ではなかなか習得できなかったことなどを振り返った。

クラウド・コンピューティング-ウェブ2.0の先にくるもの

西田宗千佳 著(朝日新聞出版[朝日新書154]、2009年1月発行)

クラウド・コンピューティング ウェブ2.0の先にくるもの (朝日新書)
西田 宗千佳
朝日新聞出版
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「クラウド」って言葉を目にするけど、全く知らなかったので本書を読んだ。本書は一般の人にも分かりやすく書かれた「クラウド・コンピューティング」の啓蒙書。著者はクラウドを体感することを勧めている。巻末には、「クラウドを体験する」一覧があり、様々なサービスやテクノロジーが紹介されている。

で、何点か実際にやってみました。まず、前から気になっていた「グーグル・ドキュメント」。マイクロソフトのOfficeにあるアプリケーションが無料で使用できる。実際のOfficeと比べるなら使い勝手は良くないというものの、それほど悪くはない。メインのマシンでファイルを作成すると、他のMacでもWindowsマシンでも同じファイルが即座に見られることに少なからず感動する。

あのPhotoshopのWeb対応版、「Photoshop.com」には少し驚いた。「Remember the Milk」はToDoリストを管理するウェブアプリだが、パソコンとケータイ電話の両方で利用できる。これはすぐにでも使おうと思った。

クラウド・コンピューティングでファイルのバックアップに気を使わなくてすむ。他のマシンでも手軽にファイルを利用できる。この2点が最大のメリットだろう。これはかなり魅力がある。しかし、ネットに繋がることができなければ、何もできない。これに対する対策として、マイクロソフトのライブメッシュやアップルのモバイル・ミー、グーグルのGearsなどがある。実際にクラウド・コンピューティングを使う場合は、この対策は避けられないと思う。ただし、お金をかけたくない気持ちもある。

写真を共有したり、保管するための「フリッカー」もクラウドのひとつだ。写真を安全に保管する意味で前から試しているが、本格的に利用するとなると有料サービスを選択せざるを得ないので躊躇している。ともかく、写真の保管はネットにしようと決めている。自分のミスから写真データを失ったこと、バックアップに気を使うことなどを考慮すると、ネット上に保管するほうが、自分で保管するより安全だと思っている。

クラウドという言葉は知らなかってけれど、気分は十分にクラウド・コンピューティングになっていたと、本書を読んで気づいた。本書の冒頭で以下のように説明してある。

「クラウド・コンピューティング」とは、ネットの持つ力を活用した、新しいコンピューティングの方法である。ワープロやメールなどのアプリケーションソフトもデータもネット上にあって、必要な時、必要な場所で呼び出して使う、というイメージだ。雲から降る雨のように、コンピューターの能力や情報が降ってくる、というイメージから「クラウド・コンピューティング」と名付けられている。(p1)

もともとは、2006年8月、カリフォルニアの「サーチエンジン戦略会議」でグーグルのエリック・シュミットCEOが「雲(クラウド)のような、巨大なインターネットにアクセスすれば、その利益、恵みの雨を受けられる時代になっています」と発言したのが「クラウド・コンピューティング」という言葉の始まりだそうだ。シュミットCEOが生み出した言葉だとしても、グーグルが生み出した技術ではない。シュミット氏が状況に「クラウド」という名前をつけた結果、長く続いてきた複数の同時並行的なトレンドに明確な方向性が生まれたのだと著者は書いている。

無線LANとか、ブロードバンド、ユビキタス、Ajax、オープンソース、スマートフォン、Gメール、ウェブ2.0、グーグルドキュメント、データセンター、ネットブック、ウェブアプリなどのテクノロジーやサービスが「クラウド・コンピューティング」を可能にしたわけだ。それらの恩恵を受けているぼくたちもいつの間にか、クラウドな気分に浸りつつかるのだと思う。

CSS Nite in OSAKA, Vol.14@アップルストア心斎橋に行く

昨夜は雨の中、途中から駆け込んだら2番目のセッションが終わるときで、3番目、岡田 昇三氏の『ざっくり解説 -Flash Liteの仕様- Liveバージョン』をまるまる聞くことができた。いつか作ろうと思いながら、いまだにできずにいる Flash Lite を使ったケータイサイトなので、関心のあるセッションだった。

コードなど難しい解説は一切なしで、制作前の基本をてきぱきと短時間に説明してくれました。お話通りに適用すればいい見たいで役立つ内容に違いない。Flash Lite もケータイ3社間で違いがあり、キャリアごとの違いも含めて制約が多いとの話。それら制約をクリアして作る楽しみとか、ちょっとめげる・・・。でも、ドコモに絞って、趣味のものを作ってみたいという気になった。

CSS Nite in OSAKA, Vol.14 公式サイト
HI-POSI(岡田さんのブログ)
[FlashLite]デバイスフォントの大きさ(HI-POSIの記事=セッションでの話の一部)

情報革命バブルの崩壊 / ネットがあちら側は踏み進むべきフロンティアとは限らない、に刺激を受ける

情報革命バブルの崩壊 (文春新書)山本一郎 著(文藝春秋[文春新書667]、2008年11月発行)

ネット業界に従前の秩序を回復することがポストカジノ経済の具であったIT企業群の命題とするならば、局地的なアンシャンレジームのような揺り戻しを受け入れるしか方法がないだろう。ネット界隈が一般社会の価値観や秩序の枠組みに取り戻され、普通の社会の延長線上にネットがあるのであって、ネットが必ずしも「あちら側」の踏み進むべきフロンティアとは限らない、ということを、よく理解するべきと考えるのである。(p177)

と本書は結ばれている。「あちら側」とは、ぼくの読んだ本では主に梅田望夫氏が用いていたはず。梅田望夫氏について、本書では「第1章 本当に、新聞はネットに読者を奪われたのかの?」の冒頭で、次のように言及している。

端的な話、その情報革命に、旧来のメディアは取り残されてしまったのだろうか? テレビが発明されてラジオが情報発信の花形から追い落とされたのと同じく、ネットの発展によって新聞業界はこのまま零落していってしまうのだろうか? では、雑誌や単行本を擁する出版業界はどうだろうか?
インターネットが産業として成長を続けていく中、様々な言説や教条的な神話のようなものが喧伝され続けてきた。梅田望夫氏や佐々木俊尚氏がGoogleの革命的なビジネスモデルを引っ提げ、情報産業が旧来型メディアから読者の眼球を根こそぎ奪い、爆発的な成長を続けている神話について、宣教師のように読者に語りかける。(p18)

両名の愛読者のぼくとしては、山本氏の本書はとても刺激的な内容だった。ただ、ぼくは数日前に岡嶋裕史氏の『衝撃のビジネスモデル』(2007年5月刊)を読んだばかりだった。現在のネット状況が立ち行かなくなるという現状分析では似たものがあるので、今は、ユートピアのようなネット世界観が崩れゆく論調に変わっているのかもしれないと感じた。

山本氏はまえがきで、15年にわたって、投資の方面から証券市場でのネット業界の成長を見守ってきたと自己紹介している。著者が対象とするのはさまざまなIT企業群で、個人レベルの話ではなさそうだ。梅田氏や佐々木氏が対象とするのはネット社会の個人のスタンスであるとぼくは読んでいるので、山本氏の梅田氏、佐々木氏への言及をどのように受け止めていいのか分からないところもある。

しかし、現在のIT企業を支えていたのは、金余りの投資市場であり、成長し続けるというIT産業への幻想だった。それゆえ、この不況化と画像データなど、ますます増大しつづける情報量にインフラが追いつかず、アンシャンレジームとして収束しるしかないとする著者の主張は説得力があり、刺激的だ。

ぼくとしては、Web2.0という言葉で象徴されるITで生まれた個人の理念は、本書の言及からはずれたところにあると思いたい。しかし、IT産業を支えるインフラがおぼつかなくなれば、個人の理念など消し飛んでしまうかもしれないとも思う。本書を読むことで、現実の動向を注視するテンションがあがるだろう。

第1章「本当に、新聞はネットに読者を奪われたのか?」における広告代理店のWebでの動向。第2章「ネット空間はいつから貧民の楽園に成り下がってしまったのか?」でのネット論調を形成する人びとの分析。第3章「情報革命バブルとマネーゲームの甘い関係」での堀江貴文氏の実刑判決の意味。第4章「ソフトバンクモバイルで考える時価総額経営の終焉」でのソフトバンクの危機的実態。第5章「〈ネットの中立性〉とネット〈無料文化〉の見直し」での普通の社会の延長線上にネットがあるという話。等々、テレビのニュース報道の解説では得られない密度の濃いものでひたすら感心して読んでしまった。

ミクシィをやめる前に読む本-トラブルを回避する69のツボ / 良く分かるミクシィ解説本

ミクシィをやめる前に読む本―トラブルを回避する69のツボ高橋暁子 著(双葉社、2008年10月発行)

「この本は、ミクシィが原因でトラブルが起きたことのある人、トラブルを恐れて使いこなせていない人たちのために書きました。」とまえがきにある。ミクシィに入ったばかりで、よく分かっていない人たちにもぜひ読んでほしい本だと思った。これからは、ミクシィについて初心者から尋ねられたら、この本を勧めることにする。

ぼく自身は熱心ではないがミクシィ歴は長い。熱心でないといっても、情報収集の大切なツールとなっているのでないと困る。同時にミクシィ文化に違和感を抱いていたりもする。本書で、この違和感について理解できた。使い方のテクニックなども随分と勉強になった。

本書はよくある取説の体裁を取っていない。69の質問に答えるというカタチだが、非常に読みやすい。読みやすいのに、文化という抽象的なことからテクニックまでが分かるからすごく優れた本だと思う。

文化面では、携帯電話とパソコンユーザー間でトラブルが起きていることの説明に納得した。そんな現場に遭遇したことはないが、何となく分かる。パソコンユーザーは年齢層が高めで、文章は長文で丁寧に書くことが多い。一方、携帯電話ユーザーは年齢が若く、文章は短く、必要なことだけを書くので、パソコンユーザーからはそれが失礼に見えることがあるそうだ。

ぼくなんか典型的なパソコンユーザーだと思う。1995年にネットを始めたが、その前からパソコン通信をやっていた。その頃は議論をしていた。反論の応酬もあったが発展的で前向きな議論も多かったので有意義だった。しかし、今はそれをしようと思わない。すごく時間を取られるからだ。今は、そんな時間も体力もない。だから、ミクシィでは、同じ考え、感じ方にしかコメントしない。反対意見はコメントしないことにしている。本書を読むと、それがミクシィということらしい。

短文での感覚的なやりとりが多いモバイルユーザーと、時に思考や論理を展開させることがあるパソコンユーザーの違いは、同時に男と女の相違へ著者はつなげていく。ミクシィ日記を不満のはけ口としている女性は多いが、女性はコミュニケーションに共感を求めるものだと言う。それに対して男性は発信や理解を求める傾向にあるそうだ。

いや、よく分かる。両者の溝の深さもよく分かる。ミクシィユーザーは女性の方が多い。モバイルとパソコンをページビューで比べると、モバイルの方が多い。ぼくが違和感と感じるミクシィの文化では、将来的にぼくは異端になっていくのだろう。ま、積極的にかかわるわけでもないので、異端というほどのことはないけどね。情報源として必要なので、大事にしたい。

著者ブログ
http://profile.ameba.jp/akiakatsuki/