FONT Too からフォントを買っていたことがあった

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1995年前後だと思うが、ほんの数年間だったが欧文フォントを FONT Too から購入していた。基本的なポストスクリプトフォントを1フォント単位で買えたので非常に助かった。でも、販売システムがとても複雑でいつのまにか買うこともなくなった。

会員登録をすると、AGFA のフォント見本帳とフォントの収録されたCDが送られてくる。欲しいフォントナンバーを、確か規定のファックス用紙で送ると、解除キー番号がファックスかメールで知らされる。それを最初に送られてきたソフトに打ち込んで、CDの中の希望のフォントを取り出せるというシステムだった。その頃の書類が懐かしくて探したが、見つからない。

01会員になってから、見本帳は改訂版が出るたびにCDと共に送られてきていたが、もう何年も来ていない。上と左は最後に送られてきた見本帳の表紙と本文ページ。約15×28センチ、厚さが2センチ。システム7.0以上となっている。今でもぺらぺらとページをめくって、フォントを眺めることがある。

今では FONT Tooサイトから買えるようだ。

ビットマップフォントを使っていた頃

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1987年後半にマックプラスを購入してから、Adobe Type Manager と PS Font を使い始めるまでの数年間は、ビットマップフォントに夢中になっていました。写真は「Fluent Fonts for the Macintosh and the ImageWriter」のマニュアルの表紙です。800Kフロッピーディスク2枚に65フォントが入っていました。システムフォントだけでは満足できなくて買ったのはこれだけではありません。特に何に使うという目的があったわけでもないのに、よほどビットマップフォントがおもしろかったんですね。

ImageWriter はプリンターです。ぼくの使っていたのは正確には ImageWriter II です。144dpiのドットインパクトプリンタです。モニター表示が72dpiですから、絵文字なんかもデータを2倍のサイズで作って50%で印字するとけっこうきれいに印字できたものです。

当時はそんな遊びにうってつけのソフトが Silicon Beach Software の SuperPaint でした。ペイントソフトの MacPaint と ドローソフトの MacDraw が一本のソフトになったものでした。使用するソフトはもっぱら SuperPaint がメインでした。ちょっとした書類からシールまでいろいろと工夫しながら使っていたものです。SuperPaintが懐かしい人は「どどどのSuperPaintこれくしょん!」 へどうぞ。タイトルをクリックしてください。

初めて買った「Emigre #16」は1990年

s11348425861990年といえば、まだMac Plusを使ってました。SE30を買うのは翌年の91年です。SE30からマックが仕事の道具になっていくわけで、その直前にEmigreと出会ったんですね。洋書店で初めて見たときはかなりの衝撃でした。その頃は、ソフトウエアのATM(Adobe Type Manager)が出ており、ドットマトリックスプリンターである「ImageWriter II」からはフォントのプリントがびっくりするような品質でできるようになり、いやが上にもフォントへの関心が高くなっていた頃です。

Emigreはこの雑誌と共にフォントの販売も行っていました。ぼく自身はEmigreのフォントを使うようなおしゃれな仕事とは無縁で、ひたすら眺めて楽しむだけでしたが、今から思うと、1書体ぐらいは買っておけばフロッピーディスクがいい思い出になっていたはずで残念です。

1134846067本書は28.5×42.5センチとかなり大型の雑誌です。年に4冊の発行で、洋書店で見つけたら買っていました。11冊持っていますが、もう何年も買っていません。Emigre社のサイトを見ると2005年現在69号まで出ています。

写真右上のページの使用フォントはEmigreの「Triplex」ファミリーです。この16号全ページでこのファミリーが使用されています。TriplexLight、TriplexBold、TriplexExtraboldの3つのフォントでファミリーが構成されています。

写研の書体「ゴナU」は30年前・・・

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写研の書体、「ゴナU」がリリースされたのは1975年。ぼくが写植オペレータのフリーランスとして小さな事務所を構えたのが1977年。当時、丸ゴシック系のナール書体が全盛の中で、ゴナUの登場は衝撃的でした。作者は同じナールの制作者である中村征宏氏です。当初はファミリーとしての計画はなかったようです。ところが、ゴナUより少しウエイトの細い書体の要望がたかまり、ゴナEをリリースします。背景にはライバルのモリサワの「新ゴ」の存在がありました。

gona1ある時、年代は忘れましたが写研の営業マンが三菱銀行の使用書体として、ゴナのウエイトの細いものが完成したと聞かされました。つまり、ゴナファミリーとして大きく動き出したことに驚きました。一書体を揃えるには20万円ぐらいで、そのファリーを揃えるとなるとフリーランスの身には大変な金額だったのです。

ともかく、最終的にゴナファミリーはウエイトバリエーションが7書体。影付きなどのディスプレー書体が4書体と非常に大きなファミリーとして完成します。写真のカタログはその12書体のファミリーの完成直後のカタログです。

上は中の見開きのページで、左からゴナB、ゴナE、ゴナH、ゴナUの見本。下はそのカタログ表紙です。「(C) Shaken 1985.7.1 」とあります。ぼくが アップルの Mac Plus を買うのは、2年後の1987年、DTPは目前に迫っているのですが、だれもがその脅威を微塵にも感じていなくて、ぼくもまた書体の購入資金捻出に苦労していた時代でした。

小町、良寛 味岡伸太郎かなシリーズカタログ

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MacによるDTPが始まろうとする直前、写植に画期的な書体が現れました。リョービ印刷機販売株式会社から販売された味岡伸太郎かなシリーズの「小町ファミリー」と「良寛ファミリー」です。なぜ画期的かというと、その頃の写植書体は、写研の「ゴナ」や「ナール」そしてモリサワの「ツディ」や「新ゴ」といったように、モダンな書体が圧倒的な支持を得ていたところに、小町と良寛は筆の特長を取り入れた古風なフォントだったからです。

写植用文字盤は、フォントのフィルムをガラス版で挟んだ状態の文字盤と呼ばれるもので販売されていました。小町と良寛は、それまでの文字盤よりも割高でしたが、ぼくはそれらのファミリーを揃えました。古風なフォントゆえに先進的なデザインをしているデザイナーに好かれました。

ajioka-1左が味岡伸太郎かなシリーズのカタログ表紙。上がその本文です。ぼくの記憶では最初のカタログではないかと思っています。最初は、小町と良寛の2ファリーの販売だったのです。カタログのクレジットによると、
・発行企画=林隆夫
・1984年8月31日発行
・発行=リョービ印刷機販売株式会社
・編集者=味岡伸太郎
・アートディレクション・レイアウト=味岡伸太郎
・写植印字、版下制作=デザインスタジオスタッフ、朗文堂

現在、リョービイマジクスからマック、ウインドウズ用フォントが発売されています。タイトルをクリックしてください。

ジェイムズ・クレイグ/欧文組版入門

s1131003986本書の刊行は1989年12月だ。ぼくの持っている写真の本書はたぶん、出て間もない頃に買ったのだろう、だいぶんに痛んでいる。訳者のあとがきによると、本書はアメリカのデザイン教育用のテキストとして1978年に刊行され、すでに10版を数えているという。翻訳は始まったばかりのDTP時代に向けて刊行されたものだ。巻末の日本国内向けの章では、組版システムとして、マックが、ソフトとして、クォークエクスプレスが紹介されている。

s1131003988ぼく自身の経験からも、欧文を組むにはセンスが要求されると常々感じている。日本語でも同じことが言えるが、こちらは新聞や雑誌などで、美しく組まれた日本語を日常的に見ている。欧文となるとそういうわけにはいかない。組んでいて、こちらのセンスにどこまでの正当性があるのか分からなくなって、不安になることがある。そういう場合に、この一冊があるととても気持ちが楽になる。

本書の解説をすみからすみまで読んだわけではない。写真右にあるように美しくレイアウトされた本文を眺めているだけで、なんとなく分かったような気がしてくるものだ。アマゾンを見たら、現在も入手可能なようだ。

欧文組版入門
ジェイムズ・クレイグ著 組版工学研究会 監訳
1989年 朗文堂発行

杉浦康平編集デザイン「写植NOW [1]」

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ぼくが写植オペーレータだった頃の書体見本帳「写植NOW [1]」だ。奥付をみると、
編集デザイン=株式会社写研、杉浦康平+中垣信夫+海保透
(C) 1972.5 写研
とある。
左写真は「写植NOW」の表紙と裏表紙、右が開いたもの。この冊子はグラフィクデザイナーのためにデザインの道具として編集されたものだ。表紙から、写植の知識がびっしりと美しくレイアウトされている。そこにはぼく自身の書き込みがあるが、それを見ていると、グラフィックデザイナーに写植の説明をする際はいつもこの冊子を使っていたことを思い出す。

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スタイルシートWebデザイン CSS2完全解説

本書は1998年夏に出ているが、この年の秋にぼくは初めて公に出来るサイトを完成させました。文字の多いそのサイトでぼくはより読みやすくするために、行間をひろげたかった。どうやら、スタイルシートというものを使うと可能だと知って、知人のSEに相談したら本書を紹介してくれたのでした。ぼくには line-height を知ればよいぐらいの気持ちだったが、本書はSCCを説明するにあたって、なんとSGMLからはじめるという具合で、とても高尚な内容です。そんなことで、読んでもあまりついていけなかった。でも、その高尚な志が気に入り本書は今だに本棚に残っている。SGMLについてもWeb標準化の解説などで、出てくるし、有名なティム・バーナーズ=リーの「Webの創成」を読んでいてもその知識が役立った。ぼくにとってはWeb関係の教養書といった感じです。

なお、本書のHTML版を読むことができる。そのまえがきに著者自身が書いているが、2003年に絶版になったそうだ。